偏見差別相談事例

患者さんやご家族から寄せられた
実際の相談事例を紹介しています。

B型肝炎キャリアの女性との結婚を考えている。自分がワクチンを打って抗体がつけば、感染しないか? ワクチンを打てば子供も90%以上の確率で感染予防できるとネットにあったが、本当か?

結婚
ご相談者: 一般の方

このテーマについて、様々な立場の有識者が討論されている内容をご覧いただけます。スピーカーの発言の行間から、このテーマに根差す深い課題を共に感じて頂ければ幸いです。

元患者A

一般の方からのご相談で、自分がワクチンを打って抗体がつけば、自分は感染しないか? 子どもがワクチンを打てば90%以上の確率で感染予防できるとネットにあったが本当か? これについて伺いたいのですが。

医療従事者A

ワクチンを打てば90%以上の確率で感染予防できるという情報は本当です。1回では不十分でB型肝炎ワクチンは3回投与する必要がありますが、3回のワクチン投与で約95%の方で抗体陽性となります。抗体陽性の方は感染防御の状態にあるという多くの証拠がありますので、そのように理解いただいて良いと思っています。B型肝炎のお母さんが、お子さんを産んだ時にワクチンを含めた感染予防策をおこなうと約95%の子供は感染しません。100%ではないのですが、約95%ですので、このような質問を頂いた時には、90%以上の確率で予防できる、と私もお答えしています。

元患者A

この方も私たちが、先生がおっしゃったようにお伝えして「良かったです。結婚できます、します」っていう感じで終わったので良かったなと思っているんですけど、

医療従事者A

おそらく、一般の方々の中には、B型肝炎のワクチンの効果を懐疑的に思っておられる方がおられるのだろうと想像します。B型肝炎のワクチンもコロナワクチンと同じようなものと考えされているのではないかと思います。コロナのワクチンの場合は、ワクチンを投与しても感染します。だからワクチンとは、そういうものなのだ、と思っておられる。しかし、B型肝炎ワクチンの方が感染防御能は高いのです。それは、B型肝炎のワクチンが普及して30年以上経つので、感染しないという多くの証拠、多くのデータもあります。ただ一般の方々の中には、コロナワクチンと重ねてしまって、このような質問をされている方が多いのかなと思いました。

スピーカー紹介
八橋 弘先生
八橋 弘先生

国立病院機構長崎医療センター 院長。肝臓内科が専門。「様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究」の研究班代表。

四柳 宏先生
四柳 宏先生

東京大学医科学研究所 教授。元は消化器内科が専門であったが、現在は感染症という切り口から肝炎を診ている。

米澤 敦子氏 (司会)
米澤 敦子氏 (司会)

東京肝臓友の会 事務局長。東京肝臓友の会では,日々電話相談窓口を設けて患者,家族の方から電話相談を受けており、今回の事例もその相談の一部です。

中島 康之先生
中島 康之先生

全国 B 型肝炎訴訟大阪弁護団弁護士。弁護団弁護士として主に肝炎患者さんの支援などを担当。

梁井 朱美氏
梁井 朱美氏

全国 B 型肝炎訴訟九州原告団。現在慢性肝炎を患いながらも,抗ウイルス薬でウイルスをコントロールしながら活動。

及川 綾子氏
及川 綾子氏

薬害肝炎全国原告団。東京肝臓友の会で電話相談を手伝っている。

浅井 文和氏 (司会)
浅井 文和氏 (司会)

日本医学ジャーナリスト協会会長、元朝日新聞編集委員。ジャーナリストとして肝炎の記事を数多く執筆。

是永 匡紹先生
是永 匡紹先生

国立国際医療研究センター・肝炎情報センター 肝疾患研修室長。消化器・肝臓内科が専門。

磯田 広史先生
磯田 広史先生

佐賀大学医学部附属病院・肝疾患センター 助教。肝臓が専門。普段は「なんでも相談窓口」を担当している相談員も兼務。

このサイトは「様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究」の研究班により運営されています