感染症の国際誌に論文が掲載されました
本研究班の分担研究者である米澤敦子東京肝臓友の会事務局長の論文が、10月1日に感染症の国際誌Tropical Medicine and Healthに掲載されました。日本の肝炎対策の歴史と患者会(日肝協)の関わりについて紹介しています。日肝協の存在と今までの活動は世界に誇ることができる素晴らしいことだと思います。(Y八)
Atsuko Yonezawa, Rebecca Grant, Yusuke Shimakawa; Including the voice of people living with viral hepatitis: lessons learned from Japan to accelerate progress towards global hepatitis elimination | Tropical Medicine and Health | Full Text (biomedcentral.com); Tropical Medicine and Health 49, 79 (2021)
論文抄録(Y八和訳)
WHOは2030年までに公衆衛生上の脅威としてウイルス性肝炎を撲滅するという目標を掲げている。しかしながら世界的には、そのスピードは依然として遅く、特に低所得国や中所得国では、撲滅目標を達成するためには、より多くの行動が必要である。 日本は2030年までに肝炎撲滅目標を達成する上で、現在軌道に乗っている数少ない国のひとつである。日本においてウイルス性肝炎のコントロールが上手くおこなわれていることを理解する上で、ウイルス性肝炎の患者団体の役割を認識することが重要である。 それは2021年に創立50周年を迎える「日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)」の存在である。日肝協の最大の貢献は、ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス治療への、より広いアクセスへの道を作り上げたことである。 日本及び日肝協の今までの取り組みは、肝炎診療サービスへの公平なアクセスを確保すること、市民社会と患者グループが関与することは、世界的な肝炎の撲滅を加速するために必要であることを物語っている。